せめて・・こうしたかった

あなたがもうすぐ命を終えようとするときに

「 せめて・・高専に行きたかったなぁ~ 」 と言っていた。

その昔・・中学卒業して、進学できなくて 就職

田舎の貧しい家庭だと‥そういうこと

私の頃 高校への進学は96%位と言っていた。

短大、大学となると30% 位だったように記憶している。

私の 母親の時代は・・というと

実家は、母を頭に10人の兄弟姉妹

成長過程で4人亡くなり、6人の兄弟姉妹だった。

母は下の子たちを負ぶって学校に行って

泣かせないようにしながら、後ろで授業を受けたのだと言う。

父親は53歳で病死・・末っ子が5歳くらい?

みんな中学を出ると都会へ就職、高校進学はしていない。

末っ子の弟だけが 就職と同時に 夜間高校に通って高校卒業した。

驚きの世界だけど、それが普通だったから、文句も言わず働いてきた。

長期休みになるとみんな お土産を手に 帰って来る・・・

 あなたも田舎育ち・・貧しくても贅沢なんて言わない辛抱強い人

高校は工業高校  自転車で砂利道を通学して大変だったと・・

卒業して東京に就職、見送りに来た母親を見ながら 泣き泣き別れたという。

 会社では学歴社会・・大変だった様子だし 苦労した様子だし・・

それはあなたにしか 分からないけど・・

もう会社時代には 戻りたくない とよく言っていた。

「せめて高専に行きたかったなぁ~」と しみじみ言っていた・・

ほんとは大学に行きたくても、経済的に難しい事はわかっているから・・

色々な辛い思いがあったのでしょう・・ね・・きっと・・

それで38年ずっと同じ会社で働きました。

早朝から遅くまで、ある時には夜中まで・・

出張もあって・・一生懸命働きました! お疲れさまでした。

 そして・・成人した あなたの娘に

「大学も出ていないくせに」と・・言われたんだって・・・!

こういう育て方をしたんだなと・・ショックで

それから口をきいていないと言った・・・

あなたの急所? プライドが傷ついた・・・?

私と出会ったときには 2年位断絶 と言ったかな?

だからそれからずっと・・死ぬまで口を利かなかったことになる。

それが・・「せめて」・・・という事なのかな?

もう終わりが近い時期に 残念そうに言っていたのが

少し気になっています・・

会社では 大変だったかもしれないね・・・、

そんなことないよ・・あなた は あなた・・・

行けなかった から こその 何かはあった・・ですかね?

頑張りました~! 努力家ですもの

だって・・会社の特許申請で出てくるよね・・なまえ・・

能ある鷹は爪を隠す・・・そんなこと 何にも言わなかったね~

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